春夏秋冬を司る姫君たち。煌びやかな后選びの裏に隠された、読者をも欺く真相とは・・・
阿部智里さん『烏に単は似合わない』をご紹介します
あらすじ
人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」で、世継ぎである若宮の后選びが始まった。
朝廷で激しく権力を争う大貴族四家から遣わされた四人の后候補。
春夏秋冬を司るかのようにそれぞれ魅力的な姫君たちが、思惑を秘め后の座を競う中、様々な事件が起こり・・・
(解説・東えりか)
煌びやかな后選びの舞台
后に選ばれるため、桜花宮に集められた4人の姫君たち。
春殿のあせび
夏殿の浜木綿
秋殿の真赭の薄
冬殿の白珠
「八咫烏」というファンタジーの世界で、一見ただ恋愛小説だと思われるこちらの作品。
「もう、梅の花が咲いているらしい。清しくもふわりと甘い薫りが、どこからかそよそよと匂っている。」
四季折々の情景描写が、とっても美しい世界を想像させます。
華麗に裏切る
こちらの作品、ただの恋愛物語ではありません。
「春」からはじまり、最後は再び「春」で終わるこちらの物語。
「花の色が、あなたの頬に照りを映えて、この世に、こんな綺麗なひとがいるものかと思った。あなたは、ここをこの世で一番美しいとおっしゃられたが、俺にとっては、あなたこそが世界一だ。」
煌びやかな舞台で、突如起こる殺人事件。
静かに熾烈な争いを勝ち抜き、后に選ばれるのは一体誰なのか。
読者をも裏切る、衝撃の大どんでん返しとは。
みなさんは、誰を予想しますか?
「八咫烏シリーズ」第1弾
大人気シリーズの「八咫烏シリーズ」。
この物語を書いた阿部智里さんは、なんと当時20歳の大学生。
デビュー作となった『烏に単は似合わない』では、史上最年少で松本清張賞に選ばれました。
緻密な心理描写と、意外な結末をはらんだストーリー。
必見です。
にほんブログ村にほんブログ村